行雲流水

未破裂脳動脈瘤の記録

KR病院のつづき

2019年6月27日

 

家に帰ってからも涙が出てくる。

 

手術が怖い…という涙ではない。

何で私がこんな病気に…という涙でもない。

一人で抱えきれない、何をどうしたらいいかわからない、涙。

母の介護の時と同じ涙。

 

決まったことで、やらなくてはいけないことなら、

辛くても苦しくてもちゃんとやり通せる自信があるけど、

「一人でどうしたらいいのかわからない・・・」というのがつらい。

 

少し泣いて、

「あとあと後悔したくないので気になることは確認しておこう」と思い立ち、

17:00 だというのにYKHS脳神経外科に行くことにした。

やっぱりFK病院を受診して話しを聞いてみて決めようと思って。

 

TKHS先生に今日の話しをし、私の思いを伝えると、

(喋り下手なのでたぶん思っていることの2割くらいしか話せていない・・・)

 

・今絶対に手術しないといけないわけではない

・でも、先生の奥さんや親族だったら絶対に手術をさせる

・(本人にとって)大変な手術だから、時間をかけて決めていい

・KR病院のNM先生はとても腕のいい信頼できる先生である

・FK病院ももちろんいいが、執刀医が定かではない

・検査入院の後、する、しない、病院をどうする、を改めて相談しよう

・電話でもいいから、いつでも、何でも相談して下さい

 

と言われて、すごく安心して帰宅。

さしずめ、里見先生かな。(白い巨塔

 

 

KR病院

2019年6月27日

 

紹介状を手にKR病院へ。

20年ほど前、母が股関節の手術で入院した時は本当に毎日通ってたとこ。

懐かしい。

当時はピカピカな病院だったけど、20年分古くなったのかな。

 

10:00 に受付。

受付けが終わったのが、10:30。受付けだけで30分。

10:30 に脳外科の受付に行き、診察室に入れたのは、なんと 13:00。

 

担当のNM先生の第一印象は、とても 財前五郎

「なんかこの人、自信にあふれてて手術が上手そう」と思った。

 

状況を淡々と、手短に説明され、

「さて、2泊3日の検査入院は来週、再来週のいつにしますか?」と。

 

また。このスピード展開。ついていけない。

私がスローすぎるのか???

 

先生曰く、

動脈瘤は3mmと大きくないが、破裂の確率の高い場所にある

・5年前には全くなかったので、急に大きくなっている可能性がある

・今、処置をするべきと考える

TKHS先生と同じ所見である

・この病院の場合、開頭クリッピング術は脳神経外科が施術し、

   コイル塞栓術は別の血管内治療科(?)する

・どちらにするかは、2泊3日のアンギオ検査の結果による

 

私はコイル塞栓術を希望しているが、その場合はこの財前先生ではないと・・・

手術が上手そうな雰囲気の先生だったので、また不安になる。

 

「急に来週なんて仕事が・・・もごもご・・・即答出来ないし・・・もごもご・・・

と言ってるうちに、財前五郎がサッサと 7/10で検査予約を入れていた。

そして、「この後、入院の説明を聞いて帰って下さい」と。

 

診察室を出てしばし放心・・・

 

またもや展開の速さに心が付いていけていない。

・3mmなのに本当に手術しないといけないの?

・開頭クリップ術、コイル塞栓術、どちらがリスクが少ないの?

・このままKR病院に任せていいの?

・FK病院の方がいいんじゃないの?

・再来週の検査入院をしたら引き戻せないんじゃないの?

・私しか知らない仕事の段取りはどうするの?

ぐるぐる~

 

そして、入院の説明を受けるのに待たされる事 30分。

入院に拘る詳細を説明され、(検査ではなく入院の手続きのこと)

看護師「当日はご家族の付き添いは?」

私  「一人です」

看護師「先生の治療の説明の時のご家族の付き添いは?」

私  「一人です」

看護師「退院の時は・・・」

私  「一人ですー!!!」

 

会計でもかなりの時間待たされ、病院を出たのは 15:30。

一日かがりだった。

 

疲れ果てて、家の玄関を見たとたんドアを開ける前から涙が出てきた。

まだ何も始まってもいないというのに・・・

 

この病気、

すべての判断を私がしないといけないのがつらいんだと思う。

動脈瘤が破裂するかしないかは誰にもわからないから、

手術をする、しない、も私が決めなければならないし、

病院をどうするか、手術の方法をどうするかも私が決めなければいけない。

今まで聞いたこともない病気だし、経験者も周りにいないし、ネットの情報だけだし、

だけど急展開で話は進んでいくから、決断しないといけない、けどわからない。

どうしたらいいかわからない・・・

 

ってのが、涙の理由なんだろうな。

 

 

3D-CT検査結果発表

2019年6月24日

 

朝の会議中、TKHS脳神経外科より先日の3D-CTの検査結果が届いているとの連絡が入る。

身体が大事とはいえ、そう簡単に仕事を休んだり遅刻したり早退したりできないんだけど、

と思いながらも

とっとと聞いてすっきりもしたいので、早退してTKHS脳神経外科へ。

 

診察終了時間ギリギリに行ったのに待合室にはあふれんばかりの患者さん。

個人病院で最新のMRIを持っているから患者さんも多いよね。

先生も優しいし。

2時間半ほど待たされて、いよいよ結果発表。

 

「あれ?瘤が消えてます!」 みたいな奇跡が起きることもなく、

予定通り、「やっぱり瘤がありますね・・・」と。

 

前交通動脈に、3㎜弱の動脈瘤。ブレブはない。他にもない。

 

ネットでいろいろ検索してみねる限り、

5㎜を超えたら破裂する確率が高くなるので手術を勧めるが、

それ以下なら様子見、みたいな感じだったけど、

先生は手術をした方がいいと思っている感じ。

なぜなら、

5年前の画像には全く影も形も無かったのに、今回突然瘤が姿を現したからのよう。

私にはわからないけど、専門家(先生)から見たら急に膨らんできてて危険を感じるのかな。

 

FK大病院か、KR医療センターを紹介されたので、

両方の先生に話しを聞いてみたいと申し出たら、

もちろん医者との相性もあるから、ダメだったら違うところでもいいですよ、

とやんわり言われ、

まぁ、要するに、2か所同時に受診ではなく、1カ所目が合わなかったら2カ所目の紹介状を書きましょう、って感じなのかな。

まぁ、そんなものかもな。

 

「では、KR医療センターにアポを入れておきますので、明日は行けますか?」と言われ、

いやいやいやいや・・・

今週休みすぎてるし、突然明日とか、仕事の段取りもあるし。

「では、明後日にしますか?」って・・・

 

いいけどー!

展開が早すぎて、心がついていけてない。

 

遅い時間なのに、その場でKR医療センターの紹介状を書いて下さり、

MRIと3D-CTのCDRを渡され帰宅。

 

なんか、飲んでなきゃやってられない。

 

 

3D-CT検査

2019年6月19日

 

SSK病院で13:30より、3D-CT検査。

 

病院の受付表に「緊急連絡先」記入欄がある。

悩む。

家族いないし、みんな私の緊急事態に連絡が来ても困るだろうからね・・・

 

今回、大変なものを脳内に抱えてしまって、考えた。

一人なので誰も頼れない。基本自力で全部やらなきゃならない。

先生のカンファレンスも、病院探しも、検査も、手術するかの判断もいろいろ。

この後、仕事や家の事や入院なんかも一人でやっていかなくてはならない。

何より、この突然目の前に現れた出来事を一人で抱えないといけない。

 

だけど身軽ではある。

私がいなくなっても誰も困らない、というのは助かる。

3年前だったら母の面倒は誰が診るのか、入院なんてとても出来ないからね。

頼れないけど身軽。

 

 

さて、初めてのCT検査。

生理食塩水を点滴され、CTの機械に寝転がったら造影剤が注入される。

所要時間は5分くらいとのこと。

「薬が入ったら身体が熱くなります」と言われてたけど、全く何ともない。

そして終了の5秒前くらいかな、胸から上くらいがドワっと熱くなり

その瞬間少しお漏らしした。

少しだけっぽいので早くトイレに駆け込みたいが、点滴の針が刺さってる。

その後、点滴を外してもらい、速攻トイレに行ったら・・・全く漏らしてなかった。

何だったんだ?あの一瞬股間がジョワっと熱くなったのは?

 

検査はこれだけ。

 

その夜ネットでいろいろ見ていたら、あの検査、みんなお漏らししたと勘違いするみたいね。

先に調べておくんだったわ・・・焦ったわ。

 

でも何でピンポイントで股間だけ熱くなるの・・・?

 

展開が早い

2019年6月18日

 

翌日。

他人事感がぬぐえないままいつもの朝。

相変わらずよく眠れたし。

 

出社し、朝礼が終わったAM9:00に携帯が鳴る。

「明日、CTの予約が取れました!」と昨日の病院より。

なんとなく一週間後くらいにCT検査なのかなーなんてのんびり構えてたので

展開の速さに心がついていけてない。

仕事も月曜日休んだばっかりなのにまた水曜日も休むのか。むー。

 

このスピード感と昨日の先生の「びっくりしました」のセリフが気にかかる。

もしかして私、大変なことになってるの・・・?

 

 

はじまり

2019年6月17日。

 

この日は深い意味もなく仕事の休みを取っていた日。

朝寝坊したのでゆっくり起きてランチして。

お買い物にでも行くか、このままのんびりするか・・・

 

ふと、ここ1~2年ほど時々片頭痛があるのが気になっていたので

家の近所の脳神経外科を受診してみることを思い立った。

ここは以前も受診したことがあるところなのでなんとなく雰囲気はわかるので安心。

先生に片頭痛が気になる旨伝えて、またMRI検査を受けることになった。

 

閉所恐怖症気味なのでやはりMRIは苦手。

早い段階からぎゅっと目を閉じて深呼吸・・・

こんなに科学が発達した世の中でもこの不快な音を消すことは出来ないもんなのか?

 

前回同様「何ともないですよ」と言われて安心して帰るつもりだったのに、

先生は「びっくりしました!前回(5年前)には無かった「脳動脈瘤」がみつかりました!」

と言い、5年前の私のMRIの画像と今回の画像を見比べながら、

マウスのポインターは新たに出来た瘤を指していた。

 

へ?

 

説明を聞いててもなんかピンとこなくて、動揺もしなかったし、落ち込みもしなかった。

他人ごとのようだった。

先生の方が慌てていて、「びっくりしました」と繰り返し、その場で紹介状を書いて下さり、

改めて大病院でのCT検査をする段取りが整った。

 

そう(脳みそ)来たか・・・

想定外にもほどがある。

 

家に帰り、少しだけネットで「脳動脈瘤」を検索。

高血圧、たばこはダメ、と書いてあるけど禁酒とは書いてないのでとりあえずビールを飲む。

 

この先どうなるのかなぁ・・・